幼い孫が尋ねます。

「ねぇ、おじいちゃん。

人間死んだらどうなるの?」

おじいちゃんは、にっこり笑って

こんな話をしてくれました。

 

「トンボの子どもをヤゴというてな、コオロギのような姿をして、水の中で暮らしておるんじゃ。ある池に暮らしていたヤゴたちは、ずっと不思議に思っておった。というのは、ユリの枝をつたって水面にのぼっていった友だちは、なぜ誰も帰ってこないのだろう。まだ見ぬ水の外の世界は、どんな所なんだろう?

そこで彼らは相談した結果、「次に誰かが水面に上がったら、必ず戻ってきて、何か起こったのかを話してくれ。」

そう約束しあったんじゃ。

数日後、仲間の一人が強い力を感じた。

なぜ、そうしなければならないのか彼にもわからなかったが、彼は夢中でユリの枝をつたって水面にのぼっていき、葉にたどり着き、そこで美しいトンボに変身した。

水面に映る自分の姿を見て、

「…そうか、ボクたちは、みんなトンボの子どもだったんだ。」

彼は、そのことをみんなに伝えようと、池の水面を飛びまわった。けれど、ヤゴたちは誰一人として、その美しい生き物がかつての仲間の 一人だとは気づかなかったとさ。

その話を聞いていた幼い孫は、

不思議そうな顔をして、再び尋ねます。

「ねぇ、おじいちゃん。それで、人間死んだらどうなるの?」

おじいちゃんは、また、にっこり笑って

「みんな仏さまになるんじゃよ。」

「仏さま…?」

「そうじゃ、そして姿を変えて、この世に戻っていらっしゃる。」

「どんな姿になってるの?

ひょっとして、トンボ?」

「はははっ…トンボになっているかもしれないね。いろんな姿になっているんだよ。」

「なんのために帰って来るの?」

「それは私たちを助けるためじゃよ。

いろんなことで悩んだり苦しんだりしている私たちに、

「心配するな。思うようにはならんけど、なるようにはなる」って忠告しに来ているんじゃ。

そしてな、私たちには、仏さまの姿は見えないけれど、声は聞こえるんじゃよ」

「声が聞こえるの?」

「そうじゃ。その声こそがナムアミダブツじゃ。

ナムアミダブツというのは

「お前たちはみんな仏の子どもだということにどうか気づいておくれ。」

という仏さまの呼び声なんじゃ」

「ふーん。」

 


今後の行事

日/曜日 時間 内容 備考
2024年(令和6年)
毎月 第1(日) 午前6時半 おはよう講座 毎月 第1 日曜日
1月 第2 日曜日
中止第3(木) 午前10時~午後3時半 福遊会 毎月 第3 木曜日
9月 12日(木) 午後1時 彼岸会 法話:梛野 明仁 師
25日(水) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
10月 12日(土) 午前10時 秋の永代経 法話:戸松 憲仁 住職
午後1時 前住職ご命日 落語:三遊亭兼好
俗曲:桧山うめ吉
24日(木) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
11月 12日(火) 午後1時 開基・中興法要・相続講 法話:未定
12月 12日(木) 午後1時 成道会(お釈迦様の命日) 法話:織田 慶雄 師
10日(火) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
2025年(令和7年)
1月 12日(日) 午後1時 修正会 奉讃会 法話:堀田 護 師
2月 11日(火) 午後2時 こどもほうおんこう「人形劇」 とんがらし
12日(水) 午後1時 報恩講 法話:安藤 伝融 師
13日(木) 午後1時 報恩講 法話:堀田 護 師
3月 12日(水) 午後1時 聖徳 太子会 奉讃会 法話:伊奈 祐諦 師
4月 12日(土) 午後1時 永代経・蓮如忌 法話:小谷香示 師
5月 12日(月) 午後1時 定例・奉賛会・宗祖誕生会 法話:戸田 恵信 師
6月 12日(木) 午後1時 前々住職御命日 法話:戸田 栄信 師
7月 11日(土) 午後1時 お盆会 法話:戸松 憲仁 住職
12日(日) 午後1時 お盆会 法話:藤井 義尚 師
8月 12日(火) 午後1時 盂蘭盆会 法話:青木 馨 師
13日(水) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
14日(木) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め