ある朝 テレビの画面に 映し出された一人の娘さん 日本で最初の盲人電話交換手
その目は 外界を吸収できず 光を 明るく反映していた 何年か前に失明したという
司会者が 通勤ぶりを紹介した
「出勤第一日目だけ お母さんに付き添ってもらい そのあとは ずっと一人で通勤して らっしゃるそうです」
「お勤めを始められて 今日で一か月 すしづめ電車で片道小一時間……」
そして聞いた
「朝夕の通勤は大変でしょう」
彼女が答えた
「ええ 大変は大変ですけれど あっちこっちに ぶつかりながら歩きますから、なんとか……」
「ぶつかりながら…ですか?」と司会者
彼女は ほほえんだ
「ぶつかるものがあると かえって安心なのです」
目の見える私は ぶつからずに歩く 人や物を 避けるべき障害として
盲人の彼女は ぶつかりながら歩く ぶつかってくる人や物を 世界から差しのべられる 荒っぽい好意として
路上のゴミ箱や ボルトの突き出ているガードレールや 身体を乱暴にこすって過ぎるバッグや 坐りの悪い敷石や焦々した車の警笛
それは むしろ 彼女を生き生きと緊張させるもの したしい障害 存在の肌ざわり
ぶつかってくるものすべてに 自分を打ち当て 火打ち石のように さわやかに発火しながら 歩いてゆく彼女
人と物との間を 湿ったマッチ棒みたいに 一度も発火せず ただ 通り抜けてきた私
世界を避けることしか 知らなかった私の鼻先に 不意にあらわれて したたかにぶつかってきた彼女
避けようもなく もんどり打って尻もちついた私に 彼女は ささやいてくれたのだ ぶっかりかた世界の所有術を
動詞「ぶつかる」が そこに いた 娘さんの姿をして ほほえんで
彼女のまわりには 物たちが ひしめいていた 彼女の目配せ一つで すぐにも唱い出しそうな 親しい聖歌隊のように
月 | 日/曜日 | 時間 | 内容 | 備考 |
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2024年(令和6年) | ||||
毎月 | 第1(日) | 午前6時半 | おはよう講座 | 毎月 第1 日曜日 1月 第2 日曜日 |
中止第3(木) | 午前10時~午後3時半 | 福遊会 | 毎月 第3 木曜日 | |
10月 | 12日(土) | 午前10時 | 秋の永代経 | 法話:戸松 憲仁 住職 |
午後1時 | 前住職ご命日 | 落語:三遊亭兼好 俗曲:桧山うめ吉 |
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24日(木) | 午前10時/午後7時半 | 親鸞教室 | ||
11月 | 12日(火) | 午後1時 | 開基・中興法要・相続講 | 法話:未定 |
12月 | 12日(木) | 午後1時 | 成道会(お釈迦様の命日) | 法話:織田 慶雄 師 |
10日(火) | 午前10時/午後7時半 | 親鸞教室 | ||
2025年(令和7年) | ||||
1月 | 12日(日) | 午後1時 | 修正会 奉讃会 | 法話:堀田 護 師 |
20日(月) | 午前10時/午後7時半 | 親鸞教室 | ||
2月 | 11日(火) | 午後2時 | こどもほうおんこう「人形劇」 | とんがらし |
12日(水) | 午後1時 | 報恩講 | 法話:安藤 伝融 師 | |
13日(木) | 午後1時 | 報恩講 | 法話:堀田 護 師 | |
3月 | 12日(水) | 午後1時 | 聖徳 太子会 奉讃会 | 法話:伊奈 祐諦 師 |
4月 | 12日(土) | 午後1時 | 永代経・蓮如忌 | 法話:小谷香示 師 |
5月 | 12日(月) | 午後1時 | 定例・奉賛会・宗祖誕生会 | 法話:戸田 恵信 師 |
6月 | 12日(木) | 午後1時 | 前々住職御命日 | 法話:戸田 栄信 師 |
7月 | 11日(土) | 午後1時 | お盆会 | 法話:戸松 憲仁 住職 |
12日(日) | 午後1時 | お盆会 | 法話:藤井 義尚 師 | |
8月 | 12日(火) | 午後1時 | 盂蘭盆会 | 法話:青木 馨 師 |
13日(水) | 午後7時 | 納骨堂 お盆会 | 寺内勤め | |
14日(木) | 午後7時 | 納骨堂 お盆会 | 寺内勤め | |
9月 | 12日(金) | 午後1時 | 彼岸会 | 法話:梛野 明仁 師 |