「正しさ」は用法用量を守って正しくお使い下さい

       福岡県・永明寺

「用法用量を守って正しくお使い下さいという言葉は、薬品のCMなどで、よく耳にする定型句です。みなさんも、このフレーズをいままでに何度も聞いたことがあるのではないでしょうか?

ここでは「薬」ではなく、「正しさ」になっています。

私たちはいつも「正しさ」を根拠にして振る舞いますが、しばしばそれは他者を傷つける要因にもなります。

歴史を振り返ってみると、

自らの「正しさ」を確信した人間によって、これまで多くの残虐な行為が繰り返されてきました。

 思い出されますのが、数多くのユダヤ人たちが虐殺されたアウシュビッツの強制収容所です。

当時のナチスの人たちからすれば、

ガス室での虐殺行為は「正義」であり、「善」だったのです。「正しいこと」を淡々と行なっただけなのでしょう。

 私たちが考える「善・悪」というのは、「自分にとって」の「善・悪」というケースが非常に多いのです。

それは立場によって大きく異なり、あてにならないものです。

親鸞聖人は『歎異抄』の後序の中で

「善悪のふたつ、総じてもって存知せざるなり」

とおっしゃっておられます。

これは

「何が善であり、何が悪であるか、

そのどちらも私はまったく知らない」

ということです。

 確かに物事に白黒をつけることができない状態は気持ち良いものではありません。イギリスのロマン主義の詩人

ジョン・キーツは

「ネガティブ・ケイパビリティ」

という言葉を残しました。

それは

「答えの出ない状況に対して、答えを出さないままに耐える力」

を指す言葉なんだそうです。

いろんな問題に遭遇した時に、すぐに白黒をはっきりつけたくなる気持ちはわかりますが、世の中はそんなに単純ではありません。

仏教の教えを聞くということは、自分の知恵や判断を過度に信用しない謙虚な態度を学ぶことです。

そして、教えを通して、自分の善悪のものさしが、あてにならないことを痛感した時の懺悔の言葉が「南無阿弥陀仏」なのです。


今後の行事

日/曜日 時間 内容 備考
2025年(令和7年)
毎月 第1(日) 午前6時半 おはよう講座 毎月 第1 日曜日
1月 第2 日曜日
中止第3(木) 午前10時~午後3時半 福遊会 毎月 第3 木曜日
9月 12日(金) 午後1時 彼岸会 法話:梛野 明仁 師
18日(木) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
10月 12日(日) 午前10時 秋の永代経 法話:戸松 憲仁 住職
午後1時 前住職ご命日 落語:三遊亭兼好
俗曲:桧山うめ吉
23日(木) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
11月 12日(水) 午後1時 開基・中興法要・相続講 法話:未定
12月 11日(木) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
12日(金) 午後1時 成道会(お釈迦様の命日) 法話:織田 慶雄 師
2026年(令和8年)
1月 12日(月) 午後1時 修正会 奉讃会 法話:堀田 護 師
2月 11日(水) 午後2時 こどもほうおんこう「人形劇」 とんがらし
12日(木) 午後1時 報恩講 法話:安藤 伝融 師
13日(金) 午後1時 報恩講 法話:堀田 護 師
3月 12日(木) 午後1時 聖徳 太子会 奉讃会 法話:伊奈 祐諦 師
4月 12日(日) 午後1時 永代経・蓮如忌 法話:小谷香示 師
5月 12日(火) 午後1時 定例・奉賛会・宗祖誕生会 法話:戸田 恵信 師
6月 12日(金) 午後1時 前々住職御命日 法話:戸田 栄信 師
7月 11日(土) 午後1時 お盆会 法話:戸松 憲仁 住職
12日(日) 午後1時 お盆会 法話:藤井 義尚 師
8月 12日(火) 午後1時 盂蘭盆会 法話:青木 馨 師
13日(水) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
14日(木) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め