【おもしろ仏教語】

よく「お前はだらしがない」…とか言いますが「だらしがない」の「だらし」って一体何のことでしょう?

 

 「だらしがない」とは、元々臘(らっ)次(し)がない」という言葉に「駄」をつけて、

「駄臘(らっ)次(し)がない」という相手を罵(ののし)る意味の言葉なんだそうです。

では臘(らっ)次(し)」とは何かというと、

これは法(ほう)臘(ろう)の次第」ということで、

僧の出家後の年数(坊さんのキャリア)をいう仏教語なんですね。

 

 一般社会では年功序列という序列がありますが、仏教界では、生まれてからの年月よりもよりも法(ほう)臘(ろう)」=法(ほう)﨟(ろう)」ということを重んじます。

つまり、出家して坊さんになってからの年月です。

因みに、落語家も一日でも早く弟子入りすれば「兄(あに)さん」と呼ばれるようです。  

僧侶の方では法(ほう)臘(ろう)何歳」といって、つまり、僧侶となって何年何か月経つかという経験の長さによって序列が決まるわけです。

そして法(ほう)臘(ろう)の長いものから上(じょう)臘(ろう)・中(ちゅう)臘(ろう)・下(げ)臘(ろう)…と称して、その経験の長さによって敬われるわけです。

臘(らっ)次(し)がない」とは、この上下関係を狂わせることです。

 

後輩が先輩をあごで使ったり、経験の浅いものが経験豊富な人に命令したり、無秩序な振舞いをすることを言います。

 

 現在でも、たとえば「三河別院」の

列座(儀式作法を専門とする僧侶)では、一番法(ほう)臘(ろう)の長い僧から一(いち)臘(ろう)・二(に)臘(ろう)…と呼んでいます。

しかし、そういう仏教界の慣習の中で、親鸞聖人は

「親鸞は弟子一人ももたず候…」とか

「如来の前では御同朋・御同行なり」

とおっしゃいました。

 

…私には、仏道を先に歩んでおられる師匠や先輩はいるけれど…私の弟子というようなものは一人もいません。

なぜならば、私が与える念仏でもなければ、私の力で救うわけでもないのです!仏により念佛が与えられ、仏のはたらきによって救われるのです。

だから弟子も師匠も如来の前では、等しく仏の弟子であり、法友なのです。…と

 

 ところで、江戸城大奥では、御殿女中に、僧の序列を真似て最上級の花魁(おいらん)

上臘と呼んで丁重に扱いましたが、江戸も末期になると金につられて品位を落とし、遊女となり、町に出て、遂には上臘の字が変じて「女郎」に成り下がったという話は有名です。


今後の行事

日/曜日 時間 内容 備考
2024年(令和6年)
毎月 第1(日) 午前6時半 おはよう講座 毎月 第1 日曜日
1月 第2 日曜日
中止第3(木) 午前10時~午後3時半 福遊会 毎月 第3 木曜日
10月 12日(土) 午前10時 秋の永代経 法話:戸松 憲仁 住職
午後1時 前住職ご命日 落語:三遊亭兼好
俗曲:桧山うめ吉
24日(木) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
11月 12日(火) 午後1時 開基・中興法要・相続講 法話:未定
12月 12日(木) 午後1時 成道会(お釈迦様の命日) 法話:織田 慶雄 師
10日(火) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
2025年(令和7年)
1月 12日(日) 午後1時 修正会 奉讃会 法話:堀田 護 師
20日(月) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
2月 11日(火) 午後2時 こどもほうおんこう「人形劇」 とんがらし
12日(水) 午後1時 報恩講 法話:安藤 伝融 師
13日(木) 午後1時 報恩講 法話:堀田 護 師
3月 12日(水) 午後1時 聖徳 太子会 奉讃会 法話:伊奈 祐諦 師
4月 12日(土) 午後1時 永代経・蓮如忌 法話:小谷香示 師
5月 12日(月) 午後1時 定例・奉賛会・宗祖誕生会 法話:戸田 恵信 師
6月 12日(木) 午後1時 前々住職御命日 法話:戸田 栄信 師
7月 11日(土) 午後1時 お盆会 法話:戸松 憲仁 住職
12日(日) 午後1時 お盆会 法話:藤井 義尚 師
8月 12日(火) 午後1時 盂蘭盆会 法話:青木 馨 師
13日(水) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
14日(木) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
9月 12日(金) 午後1時 彼岸会 法話:梛野 明仁 師