昔々、歯医者さんのなかった頃は大変だった。虫歯になっても、治療もできないし、抜け落ちても入れ歯もないし、

噛めないから、胃腸を悪くして、

最終的には、いのちを落とす原因となったわけです。

 

歯が残りの寿命の

バロメーター!

歯がなくなると

いうことは、

そのまま

いのちの赤信号!

 

昔の人にとって、歯が悪くなるということは、もうじきおしまいの合図!

「芸能人は歯がいのち」なんてCMがありましたが、本当に「歯がいのち」だったわけです。

 

そういわれてみれば、「年齢」という時の「齢」という字には「歯」が入っているのは、「歯」=「寿命」という、そういうことからなんですね。

ようするに、歯が悪くなったら、もうおしまいの合図!

 清少納言の『枕草子』第四十五段に、

いい年をした「歯もなき女」が、若い男を夫にして、しかも妊娠してしまった

という話が出てきます。

彼女は酸っぱいものがほしくて口をすぼめて梅の実をたべるんです。

「梅食ひて酸()がりたる」とありますから…妊娠して酸っぱいものを欲しがって、梅を食べたがるとあります。

そして清少納言は「年甲斐もない」

嘲笑っています!

 

こんなことを書いた清少納言は

おそらく、この当時は自分の若さに、

おごっていたんでしょうね

やがて自分も歯のなくなる…そんな日が来ることも忘れて…

「年甲斐もない」とせせら笑った。

 

んっ?でも、よく考えてみれば、ここに出てくる女性は、妊娠しているわけだから、おそらく二十代から三十代…

ひょっとしたら十代? 

昔のことだから、四十までは、いっていないと思います。

そうであるなら、現在ならピチピチのギャル!十分に若い女性です!

 

そういえば、私が子供の頃は、ヤクルトを配達してくれる女性のことを

「ヤクルトのおばちゃん」といっていましたが、この頃は「ヤクルトのお姉さん」と呼ぶのと同じで、若かった清少納言からは、いい年に見えたんでしょうね。

 

でも、歯がないと人相も変わります。

入れ歯を外したおばあちゃんがやけに年寄りに見えるように、

年齢以上に老けて見えたんでしょうね。

だから『枕草子』では、老女として扱われているわけですね。

 

 平安時代くらいまでさかのぼれば、

歯の問題ひとつ見ても、他の動物の世界と変わらなかったわけです。

 

仏教では、人間のいのちも他の動物の

いのちも等しいと見ます。

人間は、他の動物より賢くて、偉いんだと、おごっている人を「正信偈」の中では邪(じゃ)見(けん)驕(きょう)慢(まん)悪(あく)衆(しゅ)生(じょう)」と戒めています。

いろんなことに支えられている「いのち」

なんですね。

(司馬遼太郎のエッセイ参照)


今後の行事

日/曜日 時間 内容 備考
2024年(令和6年)
毎月 第1(日) 午前6時半 おはよう講座 毎月 第1 日曜日
1月 第2 日曜日
中止第3(木) 午前10時~午後3時半 福遊会 毎月 第3 木曜日
10月 12日(土) 午前10時 秋の永代経 法話:戸松 憲仁 住職
午後1時 前住職ご命日 落語:三遊亭兼好
俗曲:桧山うめ吉
24日(木) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
11月 12日(火) 午後1時 開基・中興法要・相続講 法話:未定
12月 12日(木) 午後1時 成道会(お釈迦様の命日) 法話:織田 慶雄 師
10日(火) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
2025年(令和7年)
1月 12日(日) 午後1時 修正会 奉讃会 法話:堀田 護 師
20日(月) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
2月 11日(火) 午後2時 こどもほうおんこう「人形劇」 とんがらし
12日(水) 午後1時 報恩講 法話:安藤 伝融 師
13日(木) 午後1時 報恩講 法話:堀田 護 師
3月 12日(水) 午後1時 聖徳 太子会 奉讃会 法話:伊奈 祐諦 師
4月 12日(土) 午後1時 永代経・蓮如忌 法話:小谷香示 師
5月 12日(月) 午後1時 定例・奉賛会・宗祖誕生会 法話:戸田 恵信 師
6月 12日(木) 午後1時 前々住職御命日 法話:戸田 栄信 師
7月 11日(土) 午後1時 お盆会 法話:戸松 憲仁 住職
12日(日) 午後1時 お盆会 法話:藤井 義尚 師
8月 12日(火) 午後1時 盂蘭盆会 法話:青木 馨 師
13日(水) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
14日(木) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
9月 12日(金) 午後1時 彼岸会 法話:梛野 明仁 師