『前住職のお説教ノートより』

 

私たちは、食事の後、手を合わせて

「ご馳走さま」といいます。

近頃は言わない人もあるようですが…

ところで、この「ご馳走さま」ということは、どういうことかと申しますと…

「ご」は敬語ですから、おいといて、

「馳」というのは「かける」

「走」というのは「はしる」

という意味で…

馬などが駆(か)けるのを「馳」といい、人間が走るのを「走」といいます。

馬が駆けるということは、

労働すること…働くことです。

一生懸命働くことを「馳」という。

馬とか、牛とか家畜が人間に代わって

労働してくれる。

今では、馬や牛は使わないけれど、トラクターや耕耘機が人間の代わりに働いてくれる。

そのお蔭で一膳のご飯も食べることができるのですから…「ありがとうございます」というのが「馳」ですね。

また、「走」というのは、人間が働いてくれるわけです。

一膳のご飯をいただけるのも、農家の人が働いてくれるおかげさまです。

それだけでなくトラクターのような機械を製造してくれる人・できた米を運んでくれる人・煮炊きしてくれる人・肥料を作る人・いろんな人が一生懸命働いてくれるお陰で、この一膳のご飯をいただくことができるんでしょう。

だから、そこには「お蔭さま」という心が動く。「ありがとうございました」と…

報恩感謝の心がでてくるのです。

「ご馳走様」という言葉が、日常的に使われるようになったのは、仏教の精神からだと思います。

こういうことは大事なことだと思います。

ご飯を一膳いただくにも、「ご馳走さま…みんなが働いて下さるお陰で、ご飯を一膳よばれることができました。」という気持ちがあれば、そう簡単に捨てるなんてことはできないはずです。

 学校でも、生徒に「先生が苦労して教えて下さるお陰で」という気持ちがあったら、先生をぶん殴るなんてとんでもないことができるはずがない。

「お蔭さま」の精神を教えず、勉強勉強と塾に通わせて、知識だけを詰め込ませて…まるで現代は、頭のいい、獣(けだもの)を育てているみたいで、話にならない。

「お蔭さま」という精神は忘れてはいけない心だと思います。

…だから精出して挨拶することです。

「いただきます」「ご馳走さま」「おはようございます」「こんにちは」…

 

挨拶がだんだんなくなってくると孤立してくる。言葉は大いに交わすべきです。

 

 その点インドはいいですよ…インドは挨拶を交わすだけでなく言葉を交わします…何と言うかというと…

「ナマステ」と言う。

昼でも晩でも朝でも「ナマステ」

「ナマステ」の「テ」というのは、

「あなたに」という意味です。

「ナマス」というのは、南無阿弥陀仏の

「南無」ということです。

「南無」という事は、敬い従うということです。

…だから「ナマステ」ということは…

「あなたを敬い…あなたに従います。」

ということです。

私たちはお陰様の世界から生まれてきて、お陰様の世界に支えられて生き、そしてやがて、お陰様の世界に帰っていくのです。


今後の行事

日/曜日 時間 内容 備考
2024年(令和6年)
毎月 第1(日) 午前6時半 おはよう講座 毎月 第1 日曜日
1月 第2 日曜日
中止第3(木) 午前10時~午後3時半 福遊会 毎月 第3 木曜日
4月 12日(金) 午後1時 永代経・蓮如忌 法話:小谷香示 師
30日(火) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
5月 12日(日) 午後1時 定例・奉賛会・宗祖誕生会 法話:戸田 恵信 師
27日(月) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
6月 12日(水) 午後1時 前々住職御命日 法話:戸田 栄信 師
21日(金) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
7月 11日(木) 午後1時 お盆会 法話:戸松 憲仁 住職
12日(金) 午後1時 お盆会 法話:藤井 義尚 師
29日(月) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
8月 12日(月) 午後1時 盂蘭盆会 法話:青木 馨 師
13日(火) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
14日(水) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
9月 12日(木) 午後1時 彼岸会 法話:梛野 明仁 師
10月 12日(土) 午前10時 秋の永代経 法話:戸松 憲仁 住職
午後1時 前住職ご命日 落語:三遊亭兼好
俗曲:桧山うめ吉
11月 12日(火) 午後1時 開基・中興法要・相続講 法話:未定
12月 12日(木) 午後1時 成道会(お釈迦様の命日) 法話:織田 慶雄 師
2025年(令和7年)
1月 12日(日) 午後1時 修正会 奉讃会 法話:堀田 護 師
2月 11日(火) 午後2時 こどもほうおんこう「人形劇」 とんがらし
12日(水) 午後1時 報恩講 法話:安藤 伝融 師
13日(木) 午後1時 報恩講 法話:堀田 護 師
3月 12日(水) 午後1時 聖徳 太子会 奉讃会 法話:伊奈 祐諦 師