勧(かん) 酒(しゅ)  于(う)武(ぶ)陵(りょう)(810~没年未詳)

勧君金屈巵   満酌不須辞

花発風雨多   人生足別離

この漢詩の訓読みと意味は

「君に勧(すす)む金(きん)屈(くっ)巵(し)・・あなたに勧めよう、この金の杯を。

満(まん)酌(しゃく)辞(じ)するを須(もち)いず・・杯になみなみと注がれた酒を遠慮する必要はない。

花(はな)発(ひら)けば風(ふう)雨(う)多(おお)し・・花が咲くと

雨や風が多くなるように

人生(じんせい)別離(べつり)足(た)る」・・人の世も別ればかりが多いものだ。

つまり「月に群(むら)雲(くも)、花に風」のたとえのように、咲いた花嵐がくればたちまち散ってしまう。人の世も同じで、出会いがあれば別れは必然。

だから、今この一瞬一瞬を大切にして酒を酌み交わそうじゃないか。という

内容の漢詩です。

※金(きん)屈(くっ)巵(し)とは柄(え)のついた豪華な金の杯

 

漢詩の作者・于武陵は晩唐の詩人で、

官僚生活に馴染めず、諸国放浪した後に隠棲しました。

そして、この漢詩を

井(い)伏(ぶせ)鱒(ます)二(じ)(一八九八~一九九三)が面白い

翻訳をしました。

それが次の訳です。

訳・井(い)伏(ぶせ)鱒(ます)二(じ)

コノサカヅキヲ受ケテクレ

ドウゾナミナミツガシテオクレ

ハナニアラシノタトヘモアルゾ

「サヨナラ」ダケガ人生ダ

井伏鱒二は、第四行を

「サヨナラ ダケガ人生ダ」と非常に巧みに翻訳しており、この一節が広く世の人々に知れわたりました。

 

後に太宰治(一九〇九~一九四八)は、

「グッド・バイ・作者の言葉」の中で、この言葉に言及しています。

 

そういえば、先日、

映画「グッドバイ・嘘からはじまる人生喜劇」監督・成島出 主演・大泉洋・小池栄子で公開されました映画の中でも「サヨナラ」ダケガ人生ダというセリフが使われておりました。

 こういうことを仏教では、愛(あい)別離(べつり)苦(く)といい、つまり「会うは別れの始め」。

いくら愛している人でも、やがて必ず

分かれていかねばならぬのが、この世の道理(ならい)と教えます。だからこそ一期一会(いちごいちえ)

というように、出会いを大切にするのが、

仏教です。今この出会いは人生一度きりの出会いかもしれません。・・・大切に!


今後の行事

日/曜日 時間 内容 備考
2024年(令和6年)
毎月 第1(日) 午前6時半 おはよう講座 毎月 第1 日曜日
1月 第2 日曜日
中止第3(木) 午前10時~午後3時半 福遊会 毎月 第3 木曜日
4月 12日(金) 午後1時 永代経・蓮如忌 法話:小谷香示 師
30日(火) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
5月 12日(日) 午後1時 定例・奉賛会・宗祖誕生会 法話:戸田 恵信 師
27日(月) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
6月 12日(水) 午後1時 前々住職御命日 法話:戸田 栄信 師
21日(金) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
7月 11日(木) 午後1時 お盆会 法話:戸松 憲仁 住職
12日(金) 午後1時 お盆会 法話:藤井 義尚 師
29日(月) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
8月 12日(月) 午後1時 盂蘭盆会 法話:青木 馨 師
13日(火) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
14日(水) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
9月 12日(木) 午後1時 彼岸会 法話:梛野 明仁 師
10月 12日(土) 午前10時 秋の永代経 法話:戸松 憲仁 住職
午後1時 前住職ご命日 落語:三遊亭兼好
俗曲:桧山うめ吉
11月 12日(火) 午後1時 開基・中興法要・相続講 法話:未定
12月 12日(木) 午後1時 成道会(お釈迦様の命日) 法話:織田 慶雄 師
2025年(令和7年)
1月 12日(日) 午後1時 修正会 奉讃会 法話:堀田 護 師
2月 11日(火) 午後2時 こどもほうおんこう「人形劇」 とんがらし
12日(水) 午後1時 報恩講 法話:安藤 伝融 師
13日(木) 午後1時 報恩講 法話:堀田 護 師
3月 12日(水) 午後1時 聖徳 太子会 奉讃会 法話:伊奈 祐諦 師