【ちょっと一息】

この夏目漱石の句には、元があり、

 

太田南畝(蜀山人)

叩かれて

蚊を吐く昼の

木魚かな

 

という、これは、江戸時代の文人・太田南畝(蜀山人)の句です。

夏目漱石が蜀山人をパロったのです。

 

この二つの句を比べてみますと、どうやら主役がちがうようです。

 

漱石は、が主役で、蜀山人は、木魚が主役。

 

漱石の句昼の蚊が主役。

昼間なのに、うす暗いお寺の本堂で、お坊さんが木魚を叩いて、お経を読み始めた。すると、木魚の中で昼寝していた蚊が「ポクポク」という音に驚いて、「あービックリした。何すんねん!」

木魚の口から逃げてゆく、その様子が、あたかも木魚が蚊を吐き出しているようだという、昼寝していた蚊・・昼の蚊が驚いたという、どこか間の抜けた様子が思い浮かぶユーモラスな句になっています。

あくまでも蚊が主役です。

 

一方、本家の蜀山人昼の木魚が主役。

通常、お寺では、朝夕の勤行といって、朝と夕方にお勤め(読経)をするんです。昼は、特別な法要(年忌とか法事とか)がない限りお勤めをしません。

だから安心していた木魚が、思わぬ昼に叩かれて、びっくりした。そして、せっかく飲み込んでいた蚊(エサ)を吐き出した。つまり、木魚は、お坊さんによって、殺生を止められた。戒められた。

というような句に仕立てられているような気がします。

この二つの句には、いろんな見方があるのでしょうが、私は、やっぱり本家の方が深いような気がします。

 

なるほど仏事の心得】 香典・御仏前・御霊前?

 葬儀の際に出す「香典」ですが、昔は「香奠」と書きました。

「奠」は「そなえる」という意味で、「典」は、代金という意味です。

「香奠」は、もともと字の如く仏さまにお香を供えることでした。

 のちにお香の代わりにお金を包むようになって「これでお香を供えて下さい」

ということで、「香典」と書くようになったわけです。つまりお香の代わりにお金でというわけです。

年忌・法事・初盆などにお招きいただいた場合も、このお金で「お香を供えて下さい」という意味合いは一緒なのですが、「香典」とは書かずに「御仏前」と書きます。

 ちなみに、真宗では「御霊前」という言葉は使いません。あくまでも仏さまにお供えするのであって、霊にお供えするわけではないのです。


今後の行事

日/曜日 時間 内容 備考
2024年(令和6年)
毎月 第1(日) 午前6時半 おはよう講座 毎月 第1 日曜日
1月 第2 日曜日
中止第3(木) 午前10時~午後3時半 福遊会 毎月 第3 木曜日
4月 12日(金) 午後1時 永代経・蓮如忌 法話:小谷香示 師
30日(火) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
5月 12日(日) 午後1時 定例・奉賛会・宗祖誕生会 法話:戸田 恵信 師
27日(月) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
6月 12日(水) 午後1時 前々住職御命日 法話:戸田 栄信 師
21日(金) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
7月 11日(木) 午後1時 お盆会 法話:戸松 憲仁 住職
12日(金) 午後1時 お盆会 法話:藤井 義尚 師
29日(月) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
8月 12日(月) 午後1時 盂蘭盆会 法話:青木 馨 師
13日(火) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
14日(水) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
9月 12日(木) 午後1時 彼岸会 法話:梛野 明仁 師
10月 12日(土) 午前10時 秋の永代経 法話:戸松 憲仁 住職
午後1時 前住職ご命日 落語:三遊亭兼好
俗曲:桧山うめ吉
11月 12日(火) 午後1時 開基・中興法要・相続講 法話:未定
12月 12日(木) 午後1時 成道会(お釈迦様の命日) 法話:織田 慶雄 師
2025年(令和7年)
1月 12日(日) 午後1時 修正会 奉讃会 法話:堀田 護 師
2月 11日(火) 午後2時 こどもほうおんこう「人形劇」 とんがらし
12日(水) 午後1時 報恩講 法話:安藤 伝融 師
13日(木) 午後1時 報恩講 法話:堀田 護 師
3月 12日(水) 午後1時 聖徳 太子会 奉讃会 法話:伊奈 祐諦 師