こういう言葉を地口(じぐち)と言います。

地口とは、駄洒落(だじゃれ)を使った言葉遊びです。

落語でも話の終わりを駄洒落で締めるのを地口落ちといいます。

この「恐れ入谷の鬼子母神」の場合は…

「恐れ入りました」の「入る」を東京台東区の「入谷」に掛け、

「入谷」にある真源寺の「鬼子母神」に掛けた洒落言葉です。

 

そういえば、映画「男はつらいよ」の寅さんがよく使っていましたね…

「たいしたもんだ!」という時に…

「田へしたもんだよ蛙のしょんべん」

「見上げたもんだよ、屋根屋のふんどし」

「驚き、桃の木、山椒の木、狸に電気に蓄音機」

「結構毛だらけ猫灰だらけ、けつのまわりは糞だらけ」

「その手は食わない」ということを

「その手は桑名の焼き蛤」

「そうはいかのキンタマ」

「そうとは白髭大明神」

「嘘を築地の御前さま」

「何のこっちゃ、抹茶に紅茶」

ところで、鬼子母神というのは、

毘沙門天の部下の夜叉パーンチカ

「散支夜叉」の妻で、

 

※夜叉とは…梵語のyakṣaの音写。

薬(やく)叉(しゃ)とも表します。

古代インド神話に登場する鬼神です。

 

毘沙門天は、

仏教を守る守護神・帝釈天の四天王の一人で…

多聞天(たもんてん)毘沙門天…北の方角を守護

持(じ)国天(こくてん)…東の方角を守護

増長天(ぞうじょうてん)…南の方角を守護

広目天(こうもくてん)…西の方角を守護

 

鬼子母神は千人の子を持つ母親でしたが、それらの子どもたちを育てるだけの栄養をつけるために、人間の子を捕まえては、食べていました。そのために多くの人から恐れられていました。

 

それを見かねたお釈迦さまは、彼女が最も愛していた末子の「ピンガラ」

托鉢の時に使う鉢の中に隠してしまいました。

 

彼女は半狂乱になって世界中を七昼夜の間、探し回りますが、どうしても見つかりません…

とうとう助けを求めてお釈迦さまにすがる…と…

お釈迦さまは、

「いいか、そなたばかりでない。

誰しも母親というものは、

我が子がかわいいのだ。

お前はそれだけ多くの子がありながらたった一人を失っただけで、

それだけ嘆き悲しんでいる。

ならば、ただ一人きりの子を

失う親の悲しみ苦しみは

いかほどであろうか。」

とさとされます。

彼女は、今まで

自分のしてきたことの

恐ろしさに気づいて、

お釈迦さまの前にひざまずきます。

 

そして、それ以来、仏法に帰依すると、ピンガラが戻り、かくして彼女は仏法を守る守護神となり、安産の守り神として祀られるようになりました。

『法華経』の陀羅尼品に説かれています。


今後の行事

日/曜日 時間 内容 備考
2024年(令和6年)
毎月 第1(日) 午前6時半 おはよう講座 毎月 第1 日曜日
1月 第2 日曜日
中止第3(木) 午前10時~午後3時半 福遊会 毎月 第3 木曜日
4月 12日(金) 午後1時 永代経・蓮如忌 法話:小谷香示 師
30日(火) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
5月 12日(日) 午後1時 定例・奉賛会・宗祖誕生会 法話:戸田 恵信 師
27日(月) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
6月 12日(水) 午後1時 前々住職御命日 法話:戸田 栄信 師
21日(金) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
7月 11日(木) 午後1時 お盆会 法話:戸松 憲仁 住職
12日(金) 午後1時 お盆会 法話:藤井 義尚 師
29日(月) 午前10時/午後7時半 親鸞教室  
8月 12日(月) 午後1時 盂蘭盆会 法話:青木 馨 師
13日(火) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
14日(水) 午後7時 納骨堂 お盆会 寺内勤め
9月 12日(木) 午後1時 彼岸会 法話:梛野 明仁 師
10月 12日(土) 午前10時 秋の永代経 法話:戸松 憲仁 住職
午後1時 前住職ご命日 落語:三遊亭兼好
俗曲:桧山うめ吉
11月 12日(火) 午後1時 開基・中興法要・相続講 法話:未定
12月 12日(木) 午後1時 成道会(お釈迦様の命日) 法話:織田 慶雄 師
2025年(令和7年)
1月 12日(日) 午後1時 修正会 奉讃会 法話:堀田 護 師
2月 11日(火) 午後2時 こどもほうおんこう「人形劇」 とんがらし
12日(水) 午後1時 報恩講 法話:安藤 伝融 師
13日(木) 午後1時 報恩講 法話:堀田 護 師
3月 12日(水) 午後1時 聖徳 太子会 奉讃会 法話:伊奈 祐諦 師